前回のブログでご紹介した「八戸まちあるきガイド育成講座」について、元旦のデーリー東北紙に掲載された、と教えて頂きました。デーリー東北は主に八戸エリアで販売されている新聞で、私の暮らす弘前市では入手が難しいのです。と言う事で今日は記事の内容を引用しながら、面白いモノを見つける「まちあるきの視点」についてお話ししたいと思います。
定番から穴場へ。ディープな八戸を地元民がご案内
普段何気なく見ている景色や、地元ならではの暮らしぶり。そんな街なかの魅力を観光客に紹介するまちあるきガイド「八戸さんぽマイスター」の億世講座が昨年11月、八戸市内で始まり、2月末まで開講している。
約30名が参加するこの講座、大いに盛り上がっています。普段何げなく見ている景色や、地元ならではの暮らしぶり、そんな魅力を観光客に紹介するまちあるきを地域住民のみなさんが真剣に取り組んでいます。
そして、地元ならではの暮らしぶりを案内する「暮らしぶりツーリズム」という考え方は随分定着してきたように思います。
例えば沖縄旅行に行ったとしましょう。首里城や玉泉洞を巡る楽しい旅。その日の観光も終わり、ホテルに戻る前、ファミリーマートに立ち寄ります。どこにでもある、普通のファミリーマート。
するとそこには、みなさんの暮らす街には売っていない商品が普通に陳列されています。「ソーキソバのカップラーメン」「シークワーサー味のジュース」「さんぴん茶」、おでんのネタにてびち(豚足)とか、こういうのを見て、つい買っちゃったりして。どうですか?楽しいと思いませんか?
<沖縄のファミリーマート限定(当時)、「泡盛コーヒー」>
つまり極論、コンビニも観光コンテンツになると言うことです。こういった「地元ならではの暮らしぶり」は気づかない事も多いです。ちょっとした空き時間に、こういった暮らしぶりを案内してくれるガイドさんがいるとしたら、素敵ですよね。地元ならではの穴場から穴場へ。まちはやっぱり地元の人と歩くのが一番!
物事すべてには「理由」がある。その理由を知るとまちが身近になる
講師を務めた弘前路地裏探偵団のライライさん(43)が呼び掛けた。「自分が歩いて「あれは、何だろう」と思ったものの理由を考えてみよう」
物事には必ず「理由」があります。例えばこちらの八戸の横丁。「ロー丁」と呼ばれています。まず、何と読むのか。私は最初「くちいっちょう」だと思いました。そしたら正しくは「ろーちょう」と読むそうで。
<「くちいっちょう」と読みたくなりませんか?>
<ひらがなで書かれていると、「ろうちょう」と読めますね>
正式には鷹匠町と言うそうですが、地元の人はみんな「ろうちょう」と呼ぶそうです。なぜか。もともとここには「牢屋」があったからだそうです。
「なぜ」に注目すると、まちは不思議な事だらけです。なぜこんなに「横丁」があるのか。なぜサバやせんべいが有名なのか。そもそもなぜ「八戸」という地名なのか。ある意味これも歴史や文化ですが、それをいかに「地元目線で、地元の言葉で話すことができるか」。
年号や歴史人物の名前の説明はなくてもいいんです。実際にそのまちに暮す人にとってどういう意味で、どういう場所なのか。どんな思い出があり、実際どのように活用されているのか。これが観光ガイドと暮らしぶりガイドの違いの「キモ」となります。
まちの等身大を、自分の言葉で語ろう!
「観光客がまちの等身大を見る事は、必ず満足度に繋がる。講座を通じて八戸らしい、自分のまち歩きを育てていってほしい」と、未来のさんぽマイスターたちに期待を寄せている。
僕は最近「物語を編む」という言葉をよく使います。これはまた改めてご紹介しますが、物語を編む前に、まずは地域の「点」に気付かないと、編むこともできないんです。みなさんのまちは魅力にあふれています。しかし気付かないことが多い。そんな時は「自分とまちの思い出」を振り返るといいです。
「あの公園で告白した」
「あの神社の宵宮でヨーヨー釣りをした」
「子供の頃からあのパン屋のジャムパンを食べてる。昔は60円だったけど、今は120円だ」。
このようなエピソード、いくらでもあるのではないでしょうか。これがそのまままち「歩きのネタ」になります。
みなさんの日常そのままを、観光客は知りたいし体験したい。まちの一員になってみたいんです。
今日も「なぜ」と「日常」に注目して行こう!