あなたはホテルの予約を旅行代理店でしますか?旅は今「掌の中」にある!

私自身旅行業を営んでおりますが「旅」や「観光」の概念が完全に変化したと感じています。今、旅はどのような状況なのか。これからの観光はどうなるのか?知っている人にとっては当たり前。知らない人は「へー!」。今日はそんなお話です。

旅は掌の中にある


今年1月、バンコクに行ってきました。その時まさにこんな感じだったんです。

LCCチケットをExpediaで予約して、Airbnbで宿を見つける。さあ出発!スワンナプーム空港に到着するとフリーSIMを購入し、インターネットに接続。

機内で作成した仕事の資料をdropboxで共有し、スタッフとSkypeで打合せ。Uber街に移動して、SNSで繋がった現地の仲間と意見交換。

夕食のレストランはYelp!で検索して、いいお店が見つかったらOpenTableで予約。

Voyaginで現地ツアーに申し込み、旅の驚きはその都度Twitterでつぶやき、素敵な写真はInstagramにアップ。

一日のまとめはFacebookに投稿し、家族とはLineで連絡を取り合う。

 

いかがですか?私はノートPCも併用していますが、これ全部携帯でできてしまいます。

「こんなの当たり前じゃん」と思う方もいるでしょうが、10年前は想像できなかった旅のあり方です。そう、つまりこれはこの10年くらいの間に起きた変化

上記青字のキーワード、知らない又は使った事がない物もあるのではないでしょうか?ちなみに弘前大学の講義中に尋ねてみたところ、青字キーワード全てを知っている学生は「ゼロ」でした。

私のブログを読んでくれている方は「こんなの当たり前派」が多いかもしれませんが「自分がそうだから周りもみんな同じ」だと思ったら大間違いです。知らない人もたくさんいます。

このギャップが地域観光の課題になります(この事は後日改めて)。「当たり前」と思い始めたら注意が必要です。感覚が麻痺し、価値に気づきにくくなります。

航空券や宿泊の予約は24時間いつでも掌の上でできてしまう。そんな時代の中、観光産業のあり方も変化に適応しなければなりません。

 

まずは最低限このあたりを知っておこう!


私が説明するのもおこがましいのですが、私自身がよく見たり使っているサービスをいくつか簡単にご紹介しましょう。SNS関係やSkype、dropboxは省略します。ご存知の方はスルーしてください。

Expedia
【エクスペディア】ホテル・航空券等のオンライン予約を行うOTA(Online Trabel Agency)です。「海外旅行も取り扱うじゃらん」みたいなイメージかな。

Airbnb
【エアービーアンドビー】通称エアビー。bnbはbed and breakfastから来ています。いわゆる「民泊」。上限180泊までなどの規制もあったり、賛否両論色々話題になっていますね。最近は体験コンテンツの販売も始めたりと、幅広く事業展開しています。

Uber
【ウーバー】一般の方が運転する自家用車をタクシーの様に利用できるサービス。こちらも賛否両論ありますが、実際に使ってみるととても便利。事前に目的地を予約してクレジット決済なので、海外でボラれる心配がありません。

AirbnbとUberは「法律的に」とか「何かあったらどうする」という話によくなりますが、今後のオリンピック開催やインバウンド事情を考えた時、規制緩和の仕方次第で国が目指す「訪日外国人客4000万人」に届くかどうか、大きく影響すると思います。

あと「何か」はある時にはあるし、ない時にはない。AirbnbもUberも嫌な人は使わなければいい。ある程度は自己責任でいいと私は思います。だってそれが旅だもの。反対する業界は、サービスの向上で差別化を図ればいい。だってそれが商売だもの。

Yelp!
【イェルプ】日本で言う食べログですかね。口コミも見る事ができます。アメリカ人は誰でも知っているレストラン検索サイトです。

OpenTable
【オープンテーブル】レストランのオンライン予約サービス。「Yelp!で調べてるんだから、そのまま予約すればいいじゃん!」と私も思うのですが(笑)、Yelp!はタウンページ的なサイトで、もし予約するなら電話になるんです。言葉が通じない(又は話すのが面倒)な場合は、Yelp!で調べて、OpenTableでウェブ予約するとストレスフリーです。

レストラン検索、香港では OpenRiceが有名みたいですね(私は使った事ありません)。国によって事情や流行は異なりますから「その国のプラットフォームを知る」事が大切です。

と、ここまでは日本でも使えますが、海外に行く場合に便利なサービスかもしれませんね。

ここからは情報発信するサービス。自社HPで展開するより、既存のプラットフォームを有効活用した方が効果的な時代です。

asoview!
【アソビュー】体験コンテンツを販売・情報発信するサイト。グリーンツーリズム関係はこちらをよく使っています。観光事業者に限らず、誰でも簡単に自分で体験商品を作って販売できますよ。

STAY JAPAN
【ステイジャパン】日本国内の民泊(農家民泊含む)を外国人に販売・情報発信するサイト。こちらもグリーンツーリズム関係でよく使っています。

TripleLights
【トリプルライツ】外国人向けに日本のガイドやツアーを販売・情報発信するサイト。

Huber
【ハバー】日本らしい旅をしたい外国人と、国際交流をしたい日本人のマッチングサービス。TOMODACHI GUIDEというコンセプトは「なるほど!」と当時うなりました。笑

Voyagin
【ボヤジン】外国人向けにツアーやアクティビティを販売・情報発信するサイト。外国人はすごく見てます。

tripadvisor
【トリップアドバイザー】有名過ぎて説明不要ですが一応掲載。笑

いかがですか?キリがないのでまずはここまでにしますが、他にもこのようなプラットフォームは山ほどあります。国によって優位性が高いサイトも存在しますから、ビジネス展開する場合はきちんと把握して戦略的を練る事が大切です。

全てに共通するのは「シェア=共有する」という概念。まさにシェアリングエコノミー。利用されていない資産を有効活用できるのが特徴と魅力。シェアリングエコノミー協会という組織もあり、日本経済の発展に取り組んでいます。

こう見るとwebばかりですね。紙媒体はどんどん勢力を落としているでしょう。でもなくなりはしませんね。例えばロンリープラネットなどはよく耳にします。私も個人的には情報は紙で読みたい派です。笑

今後旅行する際、情報収集の参考にしてください!

 

観光はほぼ全ての産業を網羅する


例えば「観光関係で就職」と聞いてイメージするのは、以前ならば旅行会社、ホテル業界、観光施設あたりでしょうか?

しかし今は農家さんも、和菓子屋さんも、材木屋さんも、レストランのシェフもある意味「観光人材」です。

「りんご収穫体験」や「和菓子作り体験」や「木工作り体験」をアソビューで販売したら、それを見た県外のお客様がやってきます。

同様に「りんご収穫体験」や「和菓子作り体験」や「木工作り体験」をボヤジンで販売したら、それを見た外国人観光客がやってきます。

レストランのメニューを外国語表記にすると、明日のランチタイムには外国人観光客が入って来るかもしれません。

あらゆる事が観光と結びつく時代。つまり、今までとは観光や旅の定義自体が変わってしまう時代

観光に興味があり、学び、和菓子屋さんに就職して、店頭販売する傍「和菓子作り体験」担当として売上UPに貢献する、という就職もあり得る訳です。

やり方次第で、あなたの今のお仕事がそのまま観光事業になるかもしれませんよ?観光は自分事!

今日も「新しい観光」を捉えて行こう!

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投稿者: 西谷 雷佐

青森県弘前市出身。 東奥義塾高等学校を卒業後、ミネソタ州立大学マンケイト校で産業心理学とスピーチコミュニケーションを学ぶ。 たびすけ合同会社西谷代表を務める傍ら、路地裏探偵団の団員としても活動中。 まち歩きや地域の魅力発信から婚活まで講演活動多数。