映像と現実世界がリンクする?これぞ”体感”できる博物館in壱岐!

先日長崎県壱岐島に行ってきました。絶景や焼酎も素晴らしかったのですが、一番記憶に刻まれたのはこの島の博物館。大人も子供も楽しめるその仕掛けとは?今日はそんなお話です。

 

期待値ゼロでの訪問


正直、「この博物館に行こう!」と決めていたワケではなく、前日宿泊したホテルの方とのおしゃべりの中で「壱岐の歴史がわかりますよ」と言われ、翌朝少し時間があったから「じゃあ行ってみようか」、そんなノリでの訪問でした。

 

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やって来たのは「壱岐市立一支国博物館」。

 

 

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とても清潔感のある、立派な建物。

 

 

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まずは映像シアターへ。壱岐の歴史の上映。映像も手が込んでいて眠くなることはなかったのですが、「まあ、よくあるパターンだよね」って思って見てました。

最後に「これが当時の人々が暮らしていた壱岐の風景です」と、広大な景色が写し出されて、映像終了。

 

と思ったら・・・

 

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スクリーンが消え、目の前に風景が!

 

この風景こそ、つい先ほど投影されていた
「数百年前の風景」の現在の様子!!

 

グッと来ましたねー。山の位置や形はほぼ同じ。
時間があればもう一度見たかったくらいです。

 

視点を変える工夫と物語の見せ方


その後、博物館内を見学。
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こちらは海の暮らしの様子を表した模型なのですが・・・

 

 

 
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同じ模型を先ほどのように上から、そしてこのように海中からも観察できるよう「視点」が工夫されています。

 

 

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こちらは陸上生活の模型。

 

 

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望遠鏡を覗きこむ事で、細やかな風景やフィギュアの表情を読み取る事ができます。

この「視点を変える」「望遠鏡で覗きこむ」というアクション=体験が、子供の好奇心を駆り立てます。実際この日も、地元の中学生らしき子供たちがたくさん来場していましたが、みんな楽しそうに見学していました。

 

 

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さらに、模型の下には潜り込める「穴」が。

 

 

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穴に入るとそこには土器などが展示してあります。なるほど「土器」は土の中にあるワケですから、展示場所としても理にかなっています。

 

 

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ちょっとした事ですが「めくってごらん」と行動を促しているのもいいですね。

これだけだと通常はあまりめくろうとは思わないのですが、これまで様々な仕掛けを体験してきているので、思わずめくってしまいます。

そしてそこには「字」だけではなく、「絵」と「対話形式」の解説。わかりやすい。

 

県内の発掘資料を集結


博物館内を見終わると、その先にはさらに資料館や体験ブースがありました。
13672447_10205407411103707_2040315895_n壱岐に限らず、県内の発掘系資料はこの場所に集められており、長崎県内の研究拠点にもなっているそうで、その保管の様子も見る事ができます。隠しちゃわないところがいいですね!

 

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実際に発掘や修復作業なども行われており、その様子もガラス越しに見学が可能。

思わず「どなたが監修して作られた博物館なのですか?」と尋ねたら、乃村工藝社さんとのこと。なるほどねー。納得です。

 

「人」が共感性を高める


「この博物館は、何でこんなに頭にすーっと入ってくるんだろう?」と考えてしまいました。

まず、全体的に展示には「人」が登場していました。冒頭の映像にも主人公(女性)が登場するから感情移入しやすかった。

展示はフィギュアを用いて当時の暮らしぶりの様子を表現している。しかもこのフィギュア、ひとつひとつにきちんと「表情」があるんですよね。そして望遠鏡を覗いたり、下にもぐったりしているうちに、壱岐の産業や歴史を学んでいる。

土器とかレプリカという「モノ」を展示するだけではなく、映像やフィギュアという「人」を通して、その先に当時の暮らしぶりや文化を表現している。

だから共感性が高まり、壱岐を体験しながら”感じる”ことができた。そう、感じる博物館だった。どこかにひとつでも「ニオイ」の要素があればもっと良かったなー。

又、写真はないのですが、博物館のスタッフらしき人が要所要所に立っていて、ポイントを解説していました。それがまたわかりやすい!内容だけではなく、話術が上手。

とまあ、最近見学した博物館系の中ではバツグンに面白かったです。あなたは最近博物館や美術館に行きましたか?きっと新しい発見がありますよ。

週末は「博物館」に行こう!

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投稿者: 西谷 雷佐

青森県弘前市出身。 東奥義塾高等学校を卒業後、ミネソタ州立大学マンケイト校で産業心理学とスピーチコミュニケーションを学ぶ。 たびすけ合同会社西谷代表を務める傍ら、路地裏探偵団の団員としても活動中。 まち歩きや地域の魅力発信から婚活まで講演活動多数。