りんご畑でグランピング!「何」が「誰」にとってグラマラスなのか?

グランピングという言葉をよく耳にするようになってきた中、「青森ならではのグランピング」を企画実施しました。そもそもグランピングとは何か?青森ならではの文脈とは?今日はそんなお話しです。

何をもって「グラマラス」なのか?


さて、まずグランピングとは何でしょう?

グランピング(Glamping)とは、グラマラス(glamorous)キャンピング(camping)の略で、キャンプ場のサービスを高級ホテル並にした高級キャンピングという意味。

・・・という説明があったり、

テントはキャンプ場に設置してあり、テントの中にはベッドと洗面所、ヒーターなどがついている。

・・・という説明があったり。

Glamorousとは「魅力的」という意味。うーん、なんとなくわかるけど、なんとなく曖昧。
て事はつまり「自由でいいんだな!」というある意味勝手な解釈から、この企画はスタートしました(笑)

星野リゾートさんも「星野リゾート流グランピング」ってブランディングしてます。星野リゾートさんのグランピングwebページはとてもステキ。興味のあるかたはコチラをぜひご覧ください。
グランピングはルイビトンから始まったそうですよ!

そして僕たちがコンセプトにしたのは「りんご畑でグランピング」です!青森と言えばりんご!りんごこそがグラマラス!!りんご畑の中でのグランピングはもしかしたら世界初かもしれませんw

 

 

キャンプ前後の過ごし方もグランピングの一部


一般的にグランピングする人は、その場所に到着してゆったりとするのでしょうね。しかし今回僕たちはその前後の過ごし方にも注目。りんごや郷土の暮らしぶりに繋がる事を見たり聞いたり体験したりして、りんご畑でのグランピングに着地するイメージです。

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まずは駅でお客様をお出迎え。この3人が今回の企画メンバー。左から僕、中央がシードル工房Kimoriの高橋哲史さん、右が「青森県の暮らしぶりを訪ねる旅」の編集者でもあるコバヤシライスの小林淳一さん。たびすけツアーおなじみのメンバーですww

 

 

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到着後、まずはお昼ごはん。おなじみ「津軽あかつきの会」で、農家のおかあちゃんたちが作ってくれた郷土料理を楽しみます。料理に砂糖を使う事はほとんどなく、甘みが必要な時はりんごを使っています。さりげなく「りんご」を感じるランチタイムです。

 

 

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昼食の後は「りんごかご」制作現場へ。竹の切り出しから作成まで全てをこなす職人技を見学した後は、この後使う「マイかご」を選んでゲット!ちなみに軽トラックの上で作業しているのは「ここが涼しいから」とのことw

 

 

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マイかごを持って、りんご畑で収穫体験!まだ時期が早かったので、収穫できる品種と個数に制限がありましたが、これから泊まるりんご畑でどのような作業が日常的に行われているかを体感して頂く時間です。

 

 

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収穫の後は温泉タイム!農家さんの多くは、毎日の農作業の後(時には農作業前の早朝にも!)、地域の温泉に入るのが大好き!その等身大の暮らしぶりを感じながら汗を流します。

 

 

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日が暮れ始め、テントにチェックイン。絞るような音量のJAZZが流れるりんご畑で、夕食までまったりタイム。

 

 

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キャンドルに火がともり、ディナータイムスタート!料理は料理研究一家古川家のケータリング!地元食材を使ったオシャレでおいしいメニューが並びます☆テーブルもイスもりんご箱!乾杯はもちろんKimoriのシードル!葛西弘前市長も激励に来てくださいました!

 

 

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夕食後のりんご畑では、取り留めのないおしゃべり、そして時に映画上映。虫の鳴き声と風の音を楽しみながら、ハンモックに揺られ、極上の時間が流れていきます。もちろん片手にはシードル。これってある意味とっても極上。これぞグラマラスである、と言うのが「りんご畑でグランピング」の文脈です☆

 

 

りんご農家の朝は早い。2日目はヨガでスタート!


深夜過ぎまでお酒を楽しんでいましたが、目覚めは朝5時。

カノンで目覚めるなんて最高でしょ?w
まあ、誰も起きてきませんでしたけどねww

 

 

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早朝のりんご畑でヨガ。とても気持ちいい!!全員初心者でしたが、プティブルの前田さんがわかりやすくリードしてくださいました!しかしみんな体かたいw

 

 

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ヨガの後は畑仕事(笑)
そうです、農家さんは朝早くから働いているのです!このマリオカートみたいなのは草刈り機。走った後は綺麗に草が刈れています。

 

 

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バゲにも乗りましたwww

 

 

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農作業の後はりんご畑で朝食!今回は笹谷農園の笹谷さんにお世話になりました。またまたりんご箱をテーブルとイスにして、ミズの昆布和えとすじこのおにぎり!うーん、これって極上だと思いませんか?

 

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ちなみにりんご農家さんは、一度に4つのりんご箱を運ぶのは朝飯前だそうですw

 

 

いざ、津軽ホルモン環状線へ!


さて、朝ごはんが終わったら、次に考えるのはお昼ご飯(笑)
りんご農家さんならではの食材を入手しに出発です!

 

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バスを横付けして巡る先は「ホルモン屋さん」。

 

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りんご農家さんはホルモンが大好き。上の地図は「青森県の暮らしぶりを訪ねる旅」にも掲載されている「津軽ホルモン環状線マップ」。これらのお店ではほぼ、カルビやサガリは売っておらず「ホルモン」しかありません。そして基本的に持ち帰りのみ。

りんご農家さんはこれらのお店でホルモンを買い、ホルモンだけを焼いてひたすら食べるのです。そしてどのりんご農家さんも「一番のお気に入りの店」がある。そんな食文化を丸ごと体験してもらう企画です!(このあたりから「グランピング色」はやや薄れてきますw)。

 

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それぞれのホルモンにはお店のこだわりがあり、内臓の処理の仕方、味付けの仕方、部位のバランスなど、本当に奥が深いです。何事も比べてみるからわかることってありますよね!「比べる」という事がコンテンツになるのです。

話それるますが、弘前には「いがめんち」というソウルフードがあります。これにも「焼き」と「揚げ」があります。それは地元の人はたぶんみんな知っている。そしてどちらも食べた事がある。

でも「揚げたいがめんち」と「焼いたいがめんち」を同時に食べ比べるって、あまりやったことないのではないでしょうか?いがめんち食べ比べセット」なんてメニューにしたら、観光客は喜ぶと思いますけどね。

 

 

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最後にまたひとっ風呂浴びて、今回のツアー終了!こちらは高増温泉。僕は最近ここがお気に入りです。前日の温泉もそうですが、地元の人しか来ないような情緒ある温泉、大好きです!

 

「極上」の価値観は人によって違う


今回のツアーを終えて「これはグランピングではないな」という結論に達しました(えっ!)。

「え?グランピングツアーじゃなかったの?」と思った方もいると思いますが、やってみないとわからないものです。だから試すんです。やってみてダメなら変える。

ただひとつ言えるのは、このツアーは楽しかった。同じ内容でビジネスホテル泊まるのではなく、りんご畑で、あのテントに泊まったから、全体を通して満足度が高かった。これは間違いないです。

気になるのは言葉の持つ力。グラマラズ=魅力的という言葉の意味で言うと、このツアーは「魅力的」だと思うのですが、すでにこの世に存在する「グランピング」という言葉のイメージとは、もしかしたらマッチングしないのかもしれません。

冒頭に述べたような「まるで家の中のようなテント」で過ごす事がグランピングのイメージならば、今回のテントも十分素敵でしたが、世の中にはもっともっとゴージャスなテントは存在します。

既存のグランピングをイメージして今回のツアーに参加すると「あれ?全然違うじゃん!」という方がいるかもしれない。

津軽そば食べて「あれ?そばじゃないじゃん!」って言う人と同じ。だって津軽そばは蕎麦だけど、蕎麦じゃないもの(うーん、例が悪いか?w)。

ラーメン二郎は、二郎という食べ物であって、ラーメンではない的な?(よけいわかりにくいか?w)

と言う事で、何か新しい言葉考えて、今後きちんと商品化して売り出して行きたいと思います。「アップリング」とか?いやいや、もっと慎重に考えますw

 

さて最後に。

「早朝のりんご畑で、りんご箱に座ってすじこのおにぎりを食べる」

これを極上の体験と思う人もいれば、「そんな虫が飛んでくるかもしれない場所でご飯なんて食べれないわ」という人もいる。

どちらも正しい。どちらも悪くない。ではどうすればいいか?

 

この内容に興味を持ち、共感してくれる方が参加してくれば嬉しい。それだけです。最適化していく事も勿論ありますが、変えないのが本質という事もあります。

顧客ニーズは大切です。しかし「顧客ニーズに応える事が目的」になってしまうと、芯がブレます。例えばもしお客様の望む事が「安い料金」だったら、どうしますか?そのお客様の声に応える為に安くする。そのしわ寄せが従業員の減給や仕入れ業者への値切りに繋がったら、それが本当に「幸せな事」でしょうか?

なぜこんな話をしたか。。。それはまた今度。

今日も「本質を見極めて」行こう!

 

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投稿者: 西谷 雷佐

青森県弘前市出身。 東奥義塾高等学校を卒業後、ミネソタ州立大学マンケイト校で産業心理学とスピーチコミュニケーションを学ぶ。 たびすけ合同会社西谷代表を務める傍ら、路地裏探偵団の団員としても活動中。 まち歩きや地域の魅力発信から婚活まで講演活動多数。