あなたの意志は僕たちが受け継ぎます。

「家族より一緒にいる時間長いでしょ?」としょっちゅう仲間に冷やかされた盟友がこの世を去りました。この場で一度だけ、想いを綴ります。

ある意味、本当に家族だった


出会ったのは10年以上前。よくランチするレストランで、しょっちゅう居合わせたのがあなたでしたね。最初は挨拶もしなかったけど、あまりにいつもいるから会釈するようになって、なんとなくおしゃべりするようになって。

最初は「西谷さん」だったのが「西谷君」になり、初めて「雷佐」と呼ばれた日は、なんか嬉しかったなぁ。

時代はまだmixi全盛の頃。あの頃からあなたは「人を繋ぐ事」が大好きでしたね。いや、出会う前から、きっと生まれてからずっと、「人を繋ぐ」のがあなたの生きがいだったのでしょう。

あの頃から一緒にいろんなところに行きましたね。本当に、数えきれないくらい。行く先々で「雷佐、この人雷佐ときっと話合うから!」って紹介してれた人は数知れず。その多くの皆さんと今でも繋がっていて、その繋がりが僕の人生を豊かにしてくれています。

自分の事より相手の事をいつも考えているあなた。それは、時におせっかいにすら感じる程の無償の愛。そんなあなたは僕に限らず出会った多くの人たちにとって、家族のような存在だったのかもしれません。

 

お互いに起業、さらに深まる絆


4年程前に私が起業してからは、ビジネスとして一緒にプロジェクトに取り組む機会も増えましたね。あなたが「スリーピース」という会社を立ち上げたのも同じ頃。

「ひとが繋がる、まちが繋がる、みんな輝く」をキーワードに、人との出会いを大切にコミュニティデザインをする会社。正にあなたのやりたい事が具現化された会社だと思いました。

プロポーザルに提出する資料を連日夜中まで作ったり。
地域の未来を熱く熱く語りあかしたり。
「2週間以上毎日一緒にいる」なんてこともしょっちゅうでしたね。

大人の修学旅行だと言って、全国の面白い事例を巡る旅を始めたのは去年から。
来年の行先、実はもう考えていたんですよ。
「えー、もう来年の事考えてるの!」って言われたくて。
「今度会ったら話そう」と。。。

 

訃報は突然に


何気ないいつも通りの夜。突然鳴る深夜の電話。

後から聞きましたが、いつも通りの会食だったそうですね。具合悪い素振りもなく、おいしい食事を食べながら、あなたはジンジャーエールやレモネードを飲んでいたそうですね。それが突然。。。

翌朝(27日)、私はどうしても外せない仕事があり、東青エリアを視察していました。しかし、心はどこか遠くにありました。だって、信じられる訳がない。

次々とFacebookに投稿されるあなたを追悼する言葉。
あなたが撮影した写真でタイムラインが埋め尽くされていく。

でも僕はそのどれにも「いいね」や「悲しいね」を押すことも、
ましてやコメントを書き込むこと、自分自身で投稿することもできませんでした。

夕方弘前に戻り、あなたに会いに行きました。
ドアを開け、焼香しても尚、信じられなかった。

でも、、、

棺の小さな窓を開け、あなたの顔を見た時、僕は泣き崩れました。
泣き崩れる。後から冷静に思い出すと、本当に泣き崩れていました。
肩を震わせ、棺に爪を立て、あなたの名前を声に出し、足元もおぼつかない。
涙が棺の表面にたまり、僕はそれを拭う事もできず、ただただ泣いてました。

なぜ。。。
なぜあなたがこのタイミングで。。。
持病でもあったの?そんな事言ってなかったじゃん。
最近忙しくて無理し過ぎてたんじゃないの?
言ってよ。何でもやるよ。
言ってよ。仲間じゃん。家族じゃん。

頭を巡る想いはとめどなく溢れ、
改めてあなたの存在の大きさを、
どれだけあなたに頼っていたかを知りました。

でもね、あなたはそっと微笑んでいるように見えましたよ。
「雷佐、後は任せたぞ」と。

 

前に進む事が恩返し


正直まだ、あなたがいない弘前を、
あなたがいない青森県の未来を、
想像する事ができません。

ただただ無念です。
残念でなりません。
悔しくてたまりません。

でも今この瞬間から、僕は前に進みます。
昨日丸1日、いろんな事を考えました。たくさん泣きました。
このブログ書きながら今も泣いています。
でも、今この瞬間から、僕は前に進みます。

 

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これはあなたが撮ってくれた最後の写真。韓国から戻り、乗り継ぎの待ち時間、空港のラウンジで仕事してる所。あなたも僕も、隙間時間があればノートパソコン開いて仕事してますよね。

でもそれって実は、「仕事」ではない。
自分たちがやりたい事を精一杯やっているだけ。

よく「ホント忙しそうですよね。休みあるんですか?」って言われるけど、
「そもそも休みという概念がないよね?」ってふたりで話してましたよね。
だってやらされてないから。自分事として向き合っているだけだから。

あなたは仕事で人と人を繋いていたワケではない。
あなたは仕事で毎日たくさんの情報をFacebookにアップしていたワケではない。
あなたはその先にある素敵な未来を思い描いている人でした。

「ひとが繋がる、まちが繋がる、みんな輝く」

僕は、僕たちは、あなたの意志を受け継いでいきます。
あなたはこれからも一生僕たちの心の中に生き続けます。
僕たちを、この地域を、そっと見守っていてください。

今まで本当にありがとうございました。
どうぞ安らかに。
合掌。

あなたの永遠の友
西谷雷佐

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投稿者: 西谷 雷佐

青森県弘前市出身。 東奥義塾高等学校を卒業後、ミネソタ州立大学マンケイト校で産業心理学とスピーチコミュニケーションを学ぶ。 たびすけ合同会社西谷代表を務める傍ら、路地裏探偵団の団員としても活動中。 まち歩きや地域の魅力発信から婚活まで講演活動多数。