ここ2年程「観光コンサルティング」の依頼をたくさん頂いており、色んな地域にお伺いする機会が増えました。今日はいくつかの事例を振り返りながら、一番大切な事を確認したいと思います。
7/20 旅行商品造成研修会@天童
やまがた広域観光連合の勉強会にお招き頂きました。着地型観光は「気づく力」を研ぎ澄まし、「物語」を見据え、「編集力」で無限の広がりを見せる、そんなお話を事例を交えながら。
宿泊はもちろん「ほほえみの宿滝の湯」。泊まるのは2回目ですが、この部屋は本当に最高!
あっちゃん、ミッチー、お世話になりました!
8/28 がんフェスティバル@弘前
久しぶりに「バリアフリーツーリズム」についてのお話をさせていただきました。プライバシーの関係であまりブログやHPでご紹介する事はありませんが、たびすけでは継続してバリアフリーツーリズムに取り組んでいます。
現在の観光業界はインバウンド一色ですが、近い将来「メディカルツーリズム」や「バリアフリーツーリズム」が改めて注目、と言うか、ニーズがさらに高まる時がやって来ますよ。
89歳の私が言うのだから、間違いないです。笑
9/14 インバウンド受入基礎講座@弘前
VISIT東北が主催するインバウンドセミナー。話の内容はごく基本的な内容を。弘前はインバウンドへの意識は高いと思います。
ただ「まとまっているようで、まとまっていない」。あと、遅い。DMOにもまだ踏み切れてないですしね。これからに期待ですが、早く動かないと他の地域がガンガン攻めてますよ。殿様のままではダメです。調和がキーワード。
10/30 「葛巻が好き」を仕事にする!@葛巻町
最寄り駅の「いわて沼宮内」。日本で一番一日の乗降者数が少ない新幹線駅。確かにこの便で列車から降りたのは私だけでした。笑
岩手県葛巻町。この町では(日本版DMOではなく)独自にDMOを展開していく方針で事業を進めており、その核心を「人材育成」としています。
高校を卒業したらふるさとを離れる学生たち。でも、いつか葛巻に帰って来てほしい。それを思うだけではなく、具体的なアクションに繋げている地域です。
当事者である高校生たちもみんな素直でやる気満々!初めて訪問しましたが、私自身大ファンになった町です。この日はアトラク東北の後藤さんとコラボ講演。気付く力と発想力を事例を交えながらお話しさせて頂きました。
11/22 徳島版インバウンドの推進に向けて
空港に着くと温かみのある巨大ポスターがお出迎え。
外には躍動感あるオブジェ。徳島、インパクトあります。笑
DMOの中でも有名な「せとうちDMO」のエリアに含まれる徳島。しかし街を歩いて見ても、地元の方に話を聴いてみても、インバウンドやDMOはまだまだこれからと言う雰囲気。
この日は事例を中心にお話ししましたが、様々な業種の方が参加しており、意識の高さを感じました。エリアが広くなればなるほど、参画する企業や人が増えれば増えるほど、まとめて行くのが大変になる。そのあたりの舵取りがきちんとできれば、面白いエリアだと思いました。
1月27日に「せとうちDMO観光セミナー」が徳島で開催されるようです。お近くの方は足を運んでみては?
夜は地元の素敵な皆さんと会食。楽しかったー!
11/28 函館商工会議所11月例会
「新幹線開業効果を最大化する」というテーマのパネリストとして函館へ。いつになく濃いメンバーが揃いました。笑
この日はたくさんある観光地の中から当地を選ぶ必然性や差別的優位性をいかに生み出すか、といったお話を。
YEG(商工会議所青年部)は僕の原点です。何かあれば全国どこにでも飛んで行きますよ!
12/12 インバウンド研修IN三重@桑名市
一般社団法人東北インアウトバウンド連合のアドバイザーでもある、やまとごころの村山さんからお声がけ頂き、この日は三重県桑名市へ。
訪日外国人観光客の半数がリピータの今、これから外国人が求めるのは物見遊山的な観光だけではなく、その土地の暮らしぶり。地元の人がしている事を、そのまま体験したいと言うニーズが増えてくる。その時、どのように地域を魅せていくか。
三重は行政(県)が腹くくってる感が伝わって来て、とてもいい雰囲気でした。これからが楽しみな地域の一つです。
なばなの里、素晴らしかった。 #三重県 pic.twitter.com/PjG3D2mO9p
— 弘前の旅行会社たびすけ代表西谷雷佐 (@rai248) December 13, 2016
県庁の方に夜ご案内頂いた「なばなの里」が素晴らしかった!
12/20 宮城県南4市9町DMO
インバウンド人材育成講座@亘理町
宮城県南4市9町でDMOを形成する、全国でも注目のエリアで講演。DMOの剣は先日の河北新報に掲載されていましたね。
VISIT東北の齊藤さん、侍の太見さん、トラベルデザインの須崎さんと一緒のセミナーは刺激的でした。
私は「誰にでもできるインバウンドビジネス」というテーマで講演。あるもの活かしこそが国内外問わず地域の資源。それを外国人向けにする時のターゲティングや注意点などを紹介しました。
宮城県南、今年の台風の目になりますよ。
12/21 吉井川流域広域観光連携ワークショップ@赤磐市
こちらは赤磐市、瀬戸市、和気町の2市1町にてDMO設立を目指している地域です。
今回が1回目?2回目?の勉強会ということ、講演だけではなくブレストからワークショップまでがっつり4時間のワークショップを担当させていただきました。
事前のヒヤリングでは「皆さんシャイなので、活発に意見が出る雰囲気にはならないと思います」と言われていて、それなりの仕込みをしておいたのですが、始まってみるとまあみなさんよく喋る(笑)仕込みネタを使う必要がありませんでした。
つまり、皆さん自分の地域に想いがあるのです。あとはこれをまとめていく「ファシリテーター」がいれば大丈夫。外国人が喜びそうなアイディアも飛び出したし、岡山からのアクセスもいいし、何よりみなさんやる気がある。伸びる地域だなと思いました。
DMOにインバウンド、地域間競争は激化する
他にもたくさんの地域のお伺いしましたが、総じてそれぞれの地域が見据えているのは「DMO」と「インバウンド」でした。
インバウンドの足は今後、ゴールデンルートだけではなく地方にも伸びていく。これは間違いない。
しかし「どの地域もゴールデンルートの次を狙っている」という事を忘れてはいけません。つまり地域間競争は激しくなる。勝ち組と負け組が明確に出て来ます。
まずもって「地域名」で誘客する必要があるのか。外国人は地域に行きたいのか、又はコンテンツを楽しみたいのか。多くの場合後者です。
又、全ては観光という言葉に少なからず紐づいていますが、そろそろ「観光」という言葉の解釈を改めて見直す時期です。今までの、我々が固定観念として抱いている「観光」と、これからの観光は明らかに違って来ます。
①「地域」か「コンテンツか」その真意は?
② これからの「観光」とは何か?
この件については重要なので後日別途ブログ書きます。
当面、DMOやインバウンドに取り組む地域はもっともっと出て来るでしょう。国も予算をつけています。しかしそれが「予算ありき」だと継続しません。予算はいつか無くなります。
何のためにDMOやインバウンドに取り組むのか。それが自分事となり、自分自身が楽しくないと、いい物は生まれないし続きません。「地域として」だけではなく、「あなた自身にとって」DMOやインバウンドは何なのか。
一言で言うと「覚悟」です。腹くくってるのか、という事。
素敵な祭りはあった方がいいし、食べ物も美味しい方がいい。交通の便も悪いより良い方がいいでしょう。でもそんなの、腹くくった人間が何人かいる地域が本気で仕掛けて来たらぶっ飛びます。
やるなら本気でやろう。予算主義は未来に何も残らないです。予算がなくなった後も自走していく事を、最初からきちんとイメージして走り出す。
あと、講演でお伺いすると、かなりの確率で地域の行政関係者がたくさん参加していますが、本気でインバウンドやDMOに取り組むならば、主担当者はせめて5年くらい異動しないで専念してもらえるといいんですけどね。これは自治体の覚悟次第。
今日も「腹くくって」行こう!
<講演・ワークショップ・覚悟の磨き方、承ります>
地域住民の意識改革から観光コンテンツ造成・モニターツアー企画運営まで、DMOやインバウンドにこれから取り組もう、または現在取り組んでいるけれどうまく行ってないという地域の方はお気軽にご相談ください!
講師依頼(ご相談)フォームはこちら