「意識を変える」「人を巻き込む」より「まずは自分が動く」のが本質。

突然「意識を変えよう」と言われても、なぜ?何のために?って思いません?自分で腹落ちしてないのに行動する人はあまりいない。ではどうすればいいのか?今日はそんなお話です。

八戸青年会議所4月公開例会


先日、八戸青年会議所の4月公開例会講師にお招き頂き八戸市に行ってきました。

この地域は周辺8市町村で「スクラム8」という広域連携を今後具体的に展開していくとのこと。

会場には圏域の首長様含めて約200名が集まっていました。

 

講演&トークセッション


こちらが今回僕を呼んでくれた八戸青年会議所の工藤さん。

なぜか真っ白の衣装で登場w
今回は講演15分、その後工藤さんとトークセッション45分という設定。

ちなみにこの工藤さん、翌朝私を宿泊先のホテルから八戸駅まで送ってくれると言ったのに、寝坊して迎えに来なかったのはここだけの話です(笑)

 

講演の様子。

 

続いてトークセッション

写真は八戸青年会議所様より頂戴しました。自分が話している様子ってあまり見ることないので嬉しかったです。

ここからが本題。

トークセッションで何度も話題に出たのが「広域連携」についてでした。地域住民が広域連携に対しての意識が低い。なのでいかに「意識を変えるか」「人を巻き込むか」というのが今回のテーマとのこと。

しかしいきなり「広域連携が必要」「意識を変えろ」「人を巻き込む」と言われても、よく意味がわかりませんよね。意味と理由がわからないから、地域の人もピンとこないのです。

 

「そもそも=本質」を大切に。


そもそも観光において、観光客目線では「市町村という括りはあまり意味がない」という話から。

例えば東北の人が東京に旅行したとして「今、千代田区にいる」「今、港区に移動した」って考えます?総じて「今、東京にいる」ではないでしょうか?

もしくは「上野動物園にいる」「スカイツリーにいる」とか。

ディズニーランドに行って「今、千葉にいる」と言う人も少ないでしょう。リアルに「ここは東京」と思っている人もいるでしょう(外国人ならあり得ますよね)。

 

別の例。

例えばパリに到着して「本場のボルドーワインで乾盃!」って言いたくなりそうですよね?ボルドー地方にいるわけでもないのに。

つまり、旅先において観光客的にはエリアの感覚って結構ざっくりなものです。言い換えるとどこにいるかは「大した問題じゃない」のです。

「どこにいるか」より「そこに何があるのか・何が食べれるのか・誰がいるのか」が本質。でも観光パンフレットには「場所=地名」が全面に打ち出されていることがまだまだ多い。

そして、観光客は原則、周遊(移動)します。同じ場所にずっといない。

ならば「オス!俺、八戸!」「オス!俺、五戸!」とそれぞれがPRし、それぞれがパンフレット作るより、どのみち隣接する同じエリアなんだから、一緒にPR=広域連携して周遊を促した方が観光客にとってわかりやすいし、便利だし、魅力的。

この「観光客にとって」というのが一番大切。

ダメな広域連携はだいたい自分達都合です。「行政予算なのでパンフレットでは公平に全ての地域を紹介」とかなる。

結果、記憶にも残らない。そもそも誰のためにやるのか?今回で言うと「観光客の為」のはずです。

このあたりは過去ブログにも書いてるので興味のある方はご一読を。
完成したら目的達成?マップやパンフレットは使われてなんぼ!

そもそも」というのは本質を捉える大切な視点。何事も「本質」を捉えないからモヤモヤする。

 

では、何の為に広域連携するのか?


ターゲットは「観光客」。では「何の為」に広域連携するのか?「観光客が楽しく旅先でお金を落としてもらう為」ではないでしょうか?別な言い方をすれば「地域が稼ぐ為とも言えるでしょう。その仕組みを作る事が大切。

そもそも観光客が来るだけでは意味がない。飲食や宿泊などで地域にお金を落としてもらわないと。

まず、まちに観光客が訪問する「魅力」があるのか?ありますよね?(もしないと言うなら、気付くところから始めなければいけません)。

次に、その魅力が観光客がお金を払う「商品」になっているのか?

そもそも観光客は財布の紐がゆるくなります。皆さんも経験ありますよね?普段はランチの予算500円でも、旅先では2,000円くらい払っちゃう。

なのにあなたのまちに2,000円のランチがない。ないものは買えない。チャンスロスです。

観光客目線で地域を商品化して行く。その為にも広域で連携し、滞在時間を長くなる、2,000円のランチがある等総合的な地域の価値を高めていく。それは観光客にとって楽しいし、地域にお金を落としやすい環境になっていく。

・・・みたいな事を仮説検証するワケです。

以上を踏まえても一方で、「いや、別に観光客来ても来なくても俺関係ないし」と言う人もいるでしょう。

地域が稼ぎ、税収が増え、雇用も増える。。。みたいな事を「自分事」と考えられる人は、そんなに多くないのかもしれません。「まちが好きなのとは別の話」と考える人もいると思います。

・・・だから今回、このような講演会が開催されたのでしょう。講演会を通して参加者に色々と考え気付いて欲しいのでしょう。

でもね、、、

「広域連携の必要性だ」「いかに人を巻き込むだ」の前に、そう思った人がまずは動くしかないと思うんです(身もふたもないコメントですみません)。

まあまあ勉強会やワークショップが好きな地域(自治体)多いですが、勉強会やワークショップをやる事が目的ではないハズ。その先に何を見据えているのかをきちんと共有できているのか。

勉強会やワークショップやるなら、北極星を示さないと。その北極星の人は実際にやってる人じゃないと。

とにかく動く事です。1ミリでも今日より前に進む。その意味と理由を見出した人がまずは動く。継続する。

すると共感した仲間が一緒に踊り出します。「1日1ミリでも前進!踊り方マニュアル」みたいなのを作っても、作った人が動いてないと説得力ないです。

「俺についてこい!ドン!」みたいな人が地域にどれだけいるか。JCやYEGには期待したいところです。

「広域連携」も「意識を変える」も「人を巻き込む」も全て手段。では目的は?

今日も本質を捉えて行こう!

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投稿者: 西谷 雷佐

青森県弘前市出身。 東奥義塾高等学校を卒業後、ミネソタ州立大学マンケイト校で産業心理学とスピーチコミュニケーションを学ぶ。 たびすけ合同会社西谷代表を務める傍ら、路地裏探偵団の団員としても活動中。 まち歩きや地域の魅力発信から婚活まで講演活動多数。