昨日は八戸まちあるきガイド育成講座の5時間目でした。全7回の研修を通してまちあるきコースの造成、マップ作り、ガイド手法などについて学ぶこの講座、「弘前路地裏探偵団」は講師としてお手伝いしています。この日はマップ作り。気を付けなければいけないのは「作る事が目的ではない」という事。行政関係の方にはぜひ読んで頂きたいブログです。
スペシャルゲストに「長崎さるく」川良真理さん登場!
今回マップ作りのプロとしてお招きしたのは、数あるまち歩きの中でも全国区、「長崎さるく」の川良真理さん!我々路地裏探偵団メンバーが「姉御!」と信頼を寄せる盟友です。
八戸には何度も訪れている真理さん。おもむろにコートを脱ぎ、
「ここにシミがあるの、わかる?以前八戸に来たとき、お土産に冷蔵のサバを買って、コートと一緒にカバンに入れてたら、サバの油が漏れてきてコートに染みついた、その痕です。八戸のサバは油が乗ってるねー!」
・・・誰かいいクリーニング屋さん紹介してあげてください(笑)
自分事としてマップを作ろう!なぜならガイドするのは皆さんだから
真理さんからのレクチャーが終わると、早速作業開始。今までの講座でコースやテーマは決まっていて、あとはどのようなマップにするかを、4つの班に分かれて熱いディスカッションを繰り広げました。
この段階で真理さんも私も、よほどでない限り口出しはしません。以前のブログでも触れましたが「講師に言われた通りやる」ようではダメです。
やらされているうちはダメ。自分事としてこのマップ作りに取り組まないと今後ガイドする時、言葉に体重がのらないんです。言い換えると、ガイドする(予定の)人たちが、自分たち用のガイドマップ作ってるワケですから、とても素敵な講座ですよね☆
そんな心配もよそに、さすが八戸、個性的な受講者の皆さんはどんどん意見を出しながらマップの概要をまとめていきます。この日で全てはまとまりませんでしたが、次回講座までにみなさん自主的に集まり、マップを完成させるそうです。そして、最終の第7回では、このマップを使ってガイドをするとのこと。うーん楽しみ!
ところで何のためにマップはあるのか?
ここからは「八戸まちあるきガイド育成講座」とは別の話です。
世の中には山ほど「観光パンフレット・観光チラシ」という物が存在します。自治体でもだいたいどこにも「観光課」的な部署があり、予算を使って定期的に「観光パンフレット」を作成しているのではないでしょうか?
しかしそれらの観光パンフレット、ひとつの地域のはずなのに同じような物が多かったりしませんか?同じ様なパンフレットを「市」と「県」が別々に作っていたりとか。まあ、「組織」「縦割り」等の諸事情があるのもわからなくはないです。
しかし、これだけはお願いしたいのは「作っておしまい」にして欲しくないという事。万が一にも「去年20,000部作ったけど、半分は倉庫で眠っている。そのうち捨てよう」なんてことにはなって欲しくない。
観光パンフレットは「使われてなんぼ」です。それは「観光案内所に置く」というゴールではないハズです。
例えばその観光パンフレットに掲載されているコースを、月に一回でも実際に巡るツアーを実施するとか、「活用する」ことはできないのかなといつも思います(実際そういう取り組みをしている自治体もありますが、まだまだ数は少ないのではないでしょうか)。
プレイヤーは誰なのか?「コツコツ続ける」に勝るものはなし
今回の「八戸まちあるきガイド育成講座」の素晴らしい所は、八戸市が予算化した事業を、八戸観光コンベンション協会が受託し、やる気のある一般市民のみなさんが受講していること。そしてこの取組をきちんと継続・具現化しようとしている所です。
予算があるからやる。でも、予算がなくなったからやめる。これが一番よくない。行政だけの責任じゃないです。
民間も「予算がなくなっても続ける」という覚悟を持って取り組むからこそ、地域は活性化していきます。地方創生も予算ありきではなく「できることからコツコツ始めて、コツコツ続ける」のがきっと一番の近道です。
そして、プレイヤーは民間です。こう言うと失礼かもしれませんが、行政の皆さんは敬意を表した上で「大いなる裏方」であり、プレイヤーではないと思うのです。知らないうちによくわからないパンフレットが完成しないよう、パンフレットのアイディア出すのも、作るのも、活用するのも、民間と共に二人三脚でできたら理想的だなぁと思います。
使い勝手の悪いパンフレットが完成して、結果余るのが一番もったいない。だったら更新できるWebパンフレットの方が利便性高いかもしれまえせんね。観光案内所で希望に応じた枚数印刷してあげればいいから。
今日も「コツコツを積み重ねて」行こう!