1月7日の朝日新聞「青森の底力~人口減を生きる~」という特集で、昨年取材して頂いた内容が掲載されました。記事の内容を引用しながら、路地裏探偵団入団エピソードや、たびすけが世に出るきっかけとなったツアーの誕生秘話などをご紹介します。
路地裏探偵団の団員であることは僕の「誇り」
「ほら、建物の反対側へ外を回ることなく出られる。冬は吹雪になり寒いから。これを通り抜け文化と言います」民間のツアー団体「弘前路地裏探偵団」ガイドの西谷雷佐さん(43)が、弘前市中心街のショッピングモールで説明した。
記事の冒頭、いきなり弘前路地裏探偵団の話から始まります。たびすけを起業したのとほぼ同時に入団した弘前路地裏探偵団。きっかけは年賀状でした。
以前からその活動に感銘を受けており「仲間に入りたいなぁ」と思っていたのですが、どうやら入団できるのは「団長にスカウトされた人間だけ」との噂。さてどうしたものかと、まずは団長に送った年賀状の隅に「路地裏探偵団に入れてください」と書いたのです。
そしたらすぐ入団できた(笑)
路地裏探偵団があるから僕はがんばれるし成長できる。本当に感謝しています。そして団員であることは僕の誇りです。路地裏探偵団の話はこれからもちょいちょい出てくると思うので、また今度ゆっくり。
「なぜ」と「人」に注目したら、木にりんごが実ってなくてもツアーが生まれた
注目を集めたのが、あえて収穫後のリンゴ園を訪ねるツアーだ。スノーシューを履いて雪の上で枝切り体験をしたり、切った枝を燃料にリンゴを焼いて食べたりした。農家から「何が面白いの」と聞かれたが・・・(以下省略)
観光庁の「東北12の物語」にも選ばれたこのツアー。僕ひとりで作ったわけではなく、たくさんの方にサポートして頂きました。この時出会ったのが北海道宝島トラベルの鈴木宏一郎さん。路地裏探偵団の団長と並ぶ、僕の「心のアニキ」です。
リンゴの味の8割は冬の剪定で決まるそうです。切らずにおけばリンゴ20個は実る枝を切る。なぜか?
この「なぜ」を知ること、それがすでにツーリズムです。リンゴに興味のない人もひきつけられます。それはリンゴ農家さんの想いのこもった、リアルな、体重ののった言葉だから。
「物語」という言葉の大切さに気付いたのも、「人」こそが観光資源だと実感したのも、里山ツーリズムの皆さんと知り合ったのもすべてこの頃。これらが現在のたびすけにおけるツアー造成の根幹になっています。本当に素晴らしい機会を頂き、改めて感謝です。
「地域課題」を観光客が笑顔で解決するツアー
2013年冬からは、市内で「雪かき検定」を知人と始めた。雪かきの美しさや速さを競う。地元の「厄介者」を逆手にとり、雪かき道具の種類の豊富さや地元住民の雪かき技術の高さに注目。在京キー局の番組でも紹介された。
以前のブログで雪かき検定の事はご紹介しましたね。その時は「どのみちやるなら、楽しい方がいい」という話がメインでした。同時に考えていたのがこの「この地域では課題となっている雪かきを、楽しいと思う人は誰だろう?」という発想です。
例えば沖縄とかアフリカの人は、雪見たことなくて、雪かきを面白がってやるのではないか?もしそうなら、ツアーになるのではないか?
そして地元の人間も「イヤダ面倒だ」と言いながらも、結構雪かきにこだわりを持っていて「あの家はヘタだ」とか「この町内では俺が一番上手だ」とか思ってるんじゃないか?スコップの使う順番とかにこだわり持っているんじゃないか?なんて考えだしたら面白くてワクワクしました(笑)
これまたリンゴツアーの時と同じく仲間に恵まれ、茶飲み話の中から生まれた「雪かき検定」という発想はその年度の内に具現化されたのでした。
「課題がある」ということは、まだまだ伸びれるってコト!
「青森に面白いものはすでにいっぱいある。それが知られていないからこそ、チャンスは大きい」
うん、いい事言った(笑)
例えば関東の人は、旅行といえば伊豆行って、箱根行って。関西行って九州・沖縄。さて北に行こうとブーンと北海道へ。青森県に来たことない人、まだまだ日本にたくさんいるでしょうね。青森を知り、人と繋がり、ファンになると、最終的に「青森に移住」という可能性だってゼロじゃない。
ましてや世界の人なんて、もしかしたら青森あたりにはまだ忍者がいると思っているかもしれない!・・・言い過ぎかw
でも、外国人観光客の事を視野に入れるなら青森だけでは実際厳しい。「東北」という単位でDMOを意識して取り組んでいかないと。インバウンドという言葉が毎日のように聴かれますが、その土台はDMOだと思うんですよね。話長くなるから、この事も今度ゆっくり。
いずれにせよこれらはすべてチャンス。課題とは可能性。
やるぞ。もっともっとやるぞ!
今日も「課題に注目」して行こう!