「地域の魅力を情報発信」の次は「地域の魅力をツアー化して販売」しよう!

株式会社インアウトバウンド仙台・松島では、今月から訪日外国人旅行客向けのツアー販売を開始しました。いわゆる「プロモーション」は勿論大切ですが、我々は「ツアー商品造成」にこだわって行きます。それはなぜか?今月販売開始した3本のツアーのポイントは?今日はそんなお話です。

Tohoku ‘Local Secret ‘Tours


「地域の暮らしぶりを体験するツアー」という冠を付けようと思い、最初は「Local Life Style Tours」にしようと思ってました。

しかしこれは日本人目線のタイトルです。

そこで外国人の友人たちに相談した所、”Local Secret”という言葉のヒントを頂きました。

Hiddenという単語も候補に挙がったのですが「意味はわかるけど、ちょっと重いかな」なんてやりとりをしながらタイトルが決まりました。

「外国人向けツアーの冠だから、外国人の意見を取り入れないとダメだよね」。社内でそんな言葉が当たり前に行き交うようになって来ました。

 

Back-alley Bar Hopping in Sendai


1本目のツアーは「仙台横丁巡り」です。知らないまちの飲食店に入るのは勇気がいるものです。外国人なら尚更でしょう。

ネット検索で高評価のお店が、必ずしも美味しいとは限りません。外国語メニューがあるか、料理の画像があるか、お店に入るまでわからないことも多いです。

このツアーでは地元ガイドと共に「横丁とは何か?」など暮らしぶりにも触れながら、約2時間で3軒の居酒屋をはしご酒します。

ポイントは「ナイトタイムエコノミー」です。歓楽街があるなど「夜楽しめるまち」に、きちんとナイトツアーを造成することによって、地域にお金が落ちる仕組みを創出します。

当たり前と言えば当たり前。東京は大阪ではすでにできているでしょう。しかし皆さんのまちできちんと対応できているでしょうか?

 

Vegetable Harvest & ’Imoni’ Veggie Dinner
at Akiu-sha


2本目のツアーは「無農薬野菜収穫体験とベジタリアン芋煮@アキウ舎」です。その名の通り、自分で野菜収穫をして芋煮を食べる。場所は今話題の「アキウ舎」です。

ポイントは「多様性への対応」です。今回は現在増加傾向にあるベジタリアンが安心して楽しめる食コンテンツと地域文化(秋に芋煮する)の融合。

当たり前と言えば当たり前。東京は大阪ではすでにできているでしょう。しかし皆さんのまちできちんと対応できているでしょうか?

 

Spirit of Sake in Shiogama
Sake and Sushi Pairing in Foodie Heaven Shiomaga


3本目のツアーは「酒と寿司満喫ツアーin塩竈」です。ちょうど「三陸塩竈ひがしもの」の時期に入った塩竈。日本酒と寿司の聖地で食と文化を体験します。

講師(ガイド)はアメリカ人にして唎酒師(ききざけし)の資格を持つジャスティン。外国人目線での日本酒の紐解き方には思わず唸りました。「神社や祭り」と「米と酒」の文脈は面白かった(なので「酒と寿司ツアー」なのに神社にも行きます)。ポイントは「土地ならではの旬のツアー化」です。日本酒も寿司も日本中どこにでもあります。それを因数分解して「塩竈で今旬の魚」と「塩竈の秋のひやおろし」をペアリングして、塩竈じゃないと楽しむことができない内容に仕立てました。

当たり前と言えば当たり前。東京は大阪ではすでにできているでしょう。しかし皆さんのまちできちんと対応できているでしょうか?

 

何をプロモーションするのか?


つまりインバウンド対応において「東北はまだまだできてない事だらけ」って事です。

そもそも外国人のほとんどが東北を認知していない。外国人旅行者の多くが愛用する某有名旅行雑誌(海外版)で、東北は「Northern Kanto=関東の北」と表記されているとか。そのくらいなんだと受け止めるのが第一歩。

ではそんな東北が何をすべきか。知名度の向上?だからプロモーションが大切?そこで問われるのは「何をプロモーションするか」です。

例えば塩竈市が日本酒や寿司で有名なのは、宮城県人なら多くの方がご存知でしょう。外国人観光客も、東北マニアならもしかしたら知っているかもしれません。

お寿司屋さんや酒蔵の情報(お店の写真・営業時間・取り扱い商品など)が掲載されたパンフレットやHPはすでにたくさんあります。多言語化されたものも多数あります。

しかし、具体的に「塩竈にてガイド付きで酒蔵見学して、日本酒と寿司を楽しむツアー商品」は現状ないです。

仮に情報を見た人がいたとしても、「実際に酒蔵に行ったのか」「実際に寿司を食べたのか」は、一方的な発信だけでは測定・検証が難しいです。

もしかしたら塩竈に来ただけで、ふらっと散策してお金も使わず帰ったかもしれません。何の為に情報発信しているのか?「地域で経済活動してもらう為」ではないのでしょうか?

だからこそツアー商品を作ることが大切です。プロモーションすべきは「一般的な情報」だけではなく、合わせて「ツアー商品化された情報」もどんどん露出していく。すると観光客も「購入=アクション」しやすいし、数値測定もしやすい。

その土地で「何ができるか」「何が食べられるか」「誰がいるか」をきちんとツアー商品に落とし込む。ブラッシュアップしながら継続して販売し続ける。

それが観光地域づくりの土台だと考えます。「地域の魅力的な情報を発信する」だけではなく、「地域の魅力をツアー商品にして販売」して、地域にお金が落ちる可能性を高める。まあ、私が旅行畑出身だからこの想いが強いのかもしれません。

東北には圧倒的にツアー商品が少ない。関東や関西にはたくさんあります。そして世界の有名観光地にも。成功地が行っている「当たり前の事」を、地域事業者と連携しながらコツコツと。それを今月からスタートしました。

 

・・・なんか普通っぽいね?


私の事を以前から知っていて、短命県体験ツアー石拾いツアーのイメージがある方には、今回の3本のツアーは「地味」に見えるかもしれませんね。

訪日外国人が日本旅行に求める一番は「日本食を楽しむ事」です。なので「食」を中核に据え、そこに「体験」「人」を寄せて行きます。さらに今後は具体的なコミュニティに因数分解して行きます。

そして、観光客入込数や消費額だけでなく「地域内調達率」を見据える。

これらの「基本」をきちんと押さえる。東北という外国人旅行者不毛地帯が世界に挑む第一歩としてまずは「王道」を行く。そして「これからの時代のガイド2.0」と連動させて行きます。魅力あるガイドは観光客の購買を促進させる力があります。この「ガイド2.0」の話はまた今度。

奇抜なツアーは近いうち必ずやります。てか、もう準備進めてます。どうぞお楽しみにw

今回ご紹介したツアーは下記にてテレビ放送される予定です(宮城県内のみ)。お時間のある方はぜひご覧ください!

9月20日(木)
OH!バンデス第一部内「16:15からのニュース」

9月21日(金)
夕方LIVE!キニナル

そして、これらのツアーはブラッシュアップして来月以降も継続販売してまいります。専用のWEBサイトは近日オープン予定。まずはFacebookページで展開してます。FBやってる方はぜひ「いいね!」で応援お願いします!

https://www.facebook.com/Tohoku-Local-Secret-Tours-1944347082324326/

 

今日も「魅力を具現化して」行こう!

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投稿者: 西谷 雷佐

青森県弘前市出身。 東奥義塾高等学校を卒業後、ミネソタ州立大学マンケイト校で産業心理学とスピーチコミュニケーションを学ぶ。 たびすけ合同会社西谷代表を務める傍ら、路地裏探偵団の団員としても活動中。 まち歩きや地域の魅力発信から婚活まで講演活動多数。